おひとりさまの財産はどうなるのか
おひとりさまとして生活していて年齢を重ね、この世を去る時が来たとします。
その際に残っている財産はどうなるのでしょうか。おひとりさまの場合、結婚していないため財産を分配する方がいないと思う方もいると思います。ですがこれは、きちんと分配先が決まっているのです。
こうしたことは普段はあまり考えないかもしれませんが、きちんと考えておくと今後に備えることができます。ぜひ少しずつ今後について考えてみるのもおすすめです。
おひとりさまの財産の行方について
おひとりさまの財産は両親に分配されるのが基本です。
ただし、おひとりさまの方がこの世を去る際には両親が元気に過ごしているとは限りません。既に二人とも亡くなっているケースも多いため、この場合は甥、姪に分配されるのが基本です。あまり知らない方も多いと思いますが、普段から自分がこの世を去る時のことについて考えられている方はなかなかいないので、ある意味当然とも言えます。ですが、これを機会に覚えておくと良いでしょう。
また、兄弟や姉妹の方が財産を受け継ぐことになるケースもあります。おひとりさまの方が亡くなると住んでいた住居の整理をする必要がありますが、この際には兄弟姉妹が行なうのが基本です。そのため、兄弟姉妹が財産を受け継ぐケースも比較的多いです。兄弟姉妹の方もこの世を去っており、甥、姪が残っている場合は必然的に甥、姪に分配されることになります。
このように、財産は残った場合に処分される訳ではなく、きちんと分配されるようになっているので安心して良いでしょう。ただし、こだわって分配の仕方を決めておきたい場合は、遺言書として残しておくのが通常です。遺言書は書き方があるので、今から財産について考えておきたい方は遺言書も作成し始めると良いでしょう。
分配しにくい遺品の扱いに注意
残された財産の中には、分配するのが難しいものも存在します。
例えば、おひとりさまの方が亡くなり、財産として土地を所有していた場合ですが、これは土地の広さや価値を細かく算出したうえで適正に分配されます。ですが、著名な絵画や骨董品のように「そのままの状態で価値のあるもの」の場合は厄介です。
物理的な形で分割をすることができなければ、誰が引き取るかという点で話し合いが必要となりますし、価値がとても高い品物であれば、騒動に発展する可能性もあります。
そのため、分配しにくい財産ほど、早めに現金にしておいたほうが賢明といえるでしょう。とくに美術品や骨董品に関しては、上記のように買取や査定を行ってくれる業者がたくさんありますし、容易に現金化して手放すことができます。
ですが、大事に扱っていたものほど「安易にお金には変えたくない」と考える人も少なくありません。その場合は、博物館や美術館へ寄贈をしてもいいでしょう。贈る品物によっては、文化財として寄付や寄贈を受け付けている施設が数多く存在します。
遺言書で財産の分配を決めておく
どのように財産を分配するか、遺言書に書く際には書き方に沿って書くことが必要になります。
インターネットや書籍で書き方についての情報をチェックすることができるので、参考にしながら作成すると良いでしょう。遺言書まで作成しておけばあなたに不意に最期の時が訪れても、安心してこの世を去ることができます。最近は終活というキーワードが注目されており、自分が亡くなっても残された方には幸せになって欲しいという方が増えてきています。
以上、おひとりさまの財産についてご紹介してきました。老後や財産と言うと遠い先のことに考える方もいるかもしれませんが、今から考えておくことはとても大切です。ぜひ時間を取って一度考えてみることをおすすめします。それはきっと後々になって役立ってくれるはずです。