大人になっても楽しいスズムシ飼育
スズムシは、まるで鈴を慣らしているかのような美しい音色で鳴くことで知られる秋の虫です。
田舎や郊外の自然が多く残る地域に出かけてみると、秋口にはスズムシが美しく奏でる音色を多く聴くことができます。
小学生の頃に自分で捕まえたスズムシを飼育していた記憶がある人もいるのではないかと思いますが、大人になってから改めて行なってみるのもまた違った楽しみがあるものです。
スズムシを飼育するというと、虫が苦手な人にはとんでもない話のように思えるかもしれません。
しかしスズムシは見た目もグロテスクではなく、音色も美しいことから、飼育がとてもおすすめできる虫です。
上手に飼育すれば繁殖をしていってくれますので、長く多くの虫を育てていくという楽しみもあります。
爬虫類をペットにしている人の中にはエサ用にコオロギを飼育していることもよくありますが、それと同じようにスズムシも一緒に育ててみるのがおすすめです。
ちなみにスズムシとは生物的にはコオロギ科スズムシ亜科の一種ですので種としてはかなり近い関係にあります。
丁寧に育てれば寿命も長くなります
スズムシはちょっと自然のある場所に行けばたくさん生息しているので、自分で採取をするのも決して難しくありません。
手近で入手するなら、虫類を扱っているショップに行けばスズムシはまず必ず売られているはずです。
ホームセンターなどでは、小さなケースに数匹入ったものが500円くらいから購入することができます。
ちょっとスズムシを飼ってみたいという人ならそれでも十分なのですが、末永くスズムシとお付き合いをしたいという人ならもう少し数が揃ったものにした方がよいでしょう。
というのもスズムシは、数匹を狭いケースに入れっぱなしにしておくだけではうまく繁殖をしてくれないからです。
本格的に繁殖をさせたいのであれば、ある程度大きさのあるケースを用意して中にスズムシが過ごしやすいように、土や木々を配置させていく必要があります。
一代で終わらせるなら小さなケースに薄く土などを敷き、ナスやきゅうりなどを刻んだものを餌として与えましょう。
繁殖を前提とした飼育をする時には、土を敷くとともに流木や石を配置して、できるだけ自然と同じ環境を作ってあげます。
この時、土が乾燥しないように霧吹きでこまめに湿られせてあげることが大切です。
野生のスズムシは昼間の温度が高い時間帯は暗く湿った木の根元や土の中に潜んでいます。
そうしたゆっくり休める環境を作ってあげられるか、というところが長くスズムシを飼育するときのポイントです。
餌として与える野菜類は乾燥してもいけませんが、食べ残して腐ってしまっても悪い影響を与えます。